■問題の概要
BROMPTONにWhite IndustriesのQRクランク(好きなペダルを脱着できるクランク)を取り付けているが、近頃トラブルの頻度が高い。折りたたみの際に左ペダルを外そうとしても抜けないことがよくある。
■現物の確認
左ペダルが外れない時は、ペダル軸に被さったスリーブとクランク本体のギザギザの噛み合い部が食い込んでいるようだ。
↓このように
見やすいようにペダルは外してある。
一見してわかるが噛み合いの山と谷がほとんど合っていない。
山と山どうしが食い込もうとしている。
これを一旦外して山と谷の角度を合わせると↓
隙間がかなり空いている。摩耗したのだろうか?
トラブルを起こすこのスリーブを外して、新品と比較すると↓
写真左 トラブルを起こす使用中の物 写真右 予備の新品
左はギザギザの山の頂点の手前側がつぶれている。
摩耗したのか変形したのかはわからないが、山の頂点が低くなったので噛み合わせがずれるのだろうか?
右側クランクはこのようなトラブルを起こさないので、そちらとも比較してみる。
↓
右側も似た状態に見える。
山と谷の角度を合わせると ↓
やはり隙間が大きい。
スリーブの状態は↓
噛み合いの山はほとんどつぶれていない。
使用を始める前の新品だった時の噛み合いの状態は↓
元から隙間は空いていたとわかる。
山と谷の噛合部は元から隙間が大きい仕様だった。
■考察
以下は想像だが、
噛み合いの形を製作する上での精度が高くないのではなかろうか。 どの山と谷の組み合わせでも嵌まるようにするためには隙間を大きく取るしかなかったのでは。その結果、噛合部は山の頂点付近の狭い面積でしか噛み合わない仕様になった。
ゆえに頂点付近にかかる圧力は大きく、真鍮という金属としては柔らかい部類の素材で作られているため、潰れてしまったと。(クランク側の噛合部はステンレス鋼で作られている?ので真鍮よりも硬いためほとんど変形しない?)
脱着をほとんどしない右側には異常がなく、頻繁に脱着する左だけが損耗した理由は、
左は脱着をする度に山と谷の組み合わせが変わり、 その度にスリーブ側の山は相手のクランク側の谷(それ毎に微妙に形状が違う)に合わせて微妙に変形をしたため、少しずつ山がなくなっていったのでは。
右は脱着をしないため山と谷の組み合わせが変わらず、従ってスリーブの山は一度相手に合わせて変形して最適化されればそれ以上変形しなかったと。
■メーカーへの要望
山と谷がもうちょっと深く噛み合う仕様にした方がええんでない?
■対処
とりあえず左ペダルのスリーブを新品に交換して様子をみまっす。
■考えられる予防法
スリーブの山を叩き伸ばして高さを延長する。嵌らなくなったらヤスリで削って調整する。
山が潰れて損耗したスリーブも再使用可能にできるかもしんない。
2014/12/29追記
■その後の経過
新品に交換してみたものの、2ヶ月も経たない内にまた同じ症状が出るように。前回よりもはるかに早い。
部品をよく観察してみると、クランク側のギザギザも少し丸くなっているようだ。指で触ると、症状が出ない右側との違い(角の尖り具合)ははっきりしていた。
原因は上記考察のとおりではなかろうか。
■修正
実際に修正した。
スリーブのギザギザの山部分にポンチを打って凹みを作った。その分の体積が逃げて少しだけ山が高くなることを狙った。
↑写真左 修正前 写真右 修正後
材質が思ったよりも硬く脆かったようで、ポンチを打つのが強すぎて欠けてしまった所もある。
クランクにはめるとこう↓
隙間がほんの気持ち狭くなったような。
■効果
効果はあったようで、外れないトラブルは起きなくなった。ただし修正後まだ2日程度しか使っていない。
また様子をみまっす。
2015/6/14 追記
それでもまた外れないようになってきた。仕方ないので六角レンチ(短いの)を携帯して、外れない時は使ってゆるめることにした。
近頃ははめる時も手で叩いて押し込まないとはまらないようになってきた。
ちなみに普段付けっぱなしの右ペダルは相変わらず簡単に脱着できる。
■今考えた対処法
新しいスリーブに交換してスリーブとクランクの特定の角度の位置に印を付けておき、毎回その印で合わせてはめてギザギザの組み合わせが変わらないようにすれば、ふだん付けっぱなしの右ペダル同様にトラブルを起こさないようになるのではなかろうか。毎回印を意識して合わせるのが面倒だが。
2015/7/5追記
↑の対処法を実践
スリーブにマーカーで印を付け、
クランク側にも印を付け、
毎回印を合わせて同じ位置ではめることにした。
うまくいくとええなー。
2015/10/20 追記
印を付けて合わせる方法は、あまり効果なかった。
じゃあどうすれば・・・と思っていたら、いい感じの方法を見つけた。
→スリーブとOリングに潤滑剤を塗る。
手が汚れにくいようにシリコン系ルブを塗った。
それによって、ペダルを差し込む時に叩きこまなくても接続できるようになった。
Oリングが滑って収まるべき所に収まるからだろうか。
外す時も、すっと外れる。 理由はよくわからない。
とにかく今のところは解決している。
BROMPTONにWhite IndustriesのQRクランク(好きなペダルを脱着できるクランク)を取り付けているが、近頃トラブルの頻度が高い。折りたたみの際に左ペダルを外そうとしても抜けないことがよくある。
■現物の確認
左ペダルが外れない時は、ペダル軸に被さったスリーブとクランク本体のギザギザの噛み合い部が食い込んでいるようだ。
↓このように
見やすいようにペダルは外してある。
一見してわかるが噛み合いの山と谷がほとんど合っていない。
山と山どうしが食い込もうとしている。
これを一旦外して山と谷の角度を合わせると↓
隙間がかなり空いている。摩耗したのだろうか?
トラブルを起こすこのスリーブを外して、新品と比較すると↓
写真左 トラブルを起こす使用中の物 写真右 予備の新品
左はギザギザの山の頂点の手前側がつぶれている。
摩耗したのか変形したのかはわからないが、山の頂点が低くなったので噛み合わせがずれるのだろうか?
右側クランクはこのようなトラブルを起こさないので、そちらとも比較してみる。
↓
右側も似た状態に見える。
山と谷の角度を合わせると ↓
やはり隙間が大きい。
スリーブの状態は↓
噛み合いの山はほとんどつぶれていない。
使用を始める前の新品だった時の噛み合いの状態は↓
元から隙間は空いていたとわかる。
山と谷の噛合部は元から隙間が大きい仕様だった。
■考察
以下は想像だが、
噛み合いの形を製作する上での精度が高くないのではなかろうか。 どの山と谷の組み合わせでも嵌まるようにするためには隙間を大きく取るしかなかったのでは。その結果、噛合部は山の頂点付近の狭い面積でしか噛み合わない仕様になった。
ゆえに頂点付近にかかる圧力は大きく、真鍮という金属としては柔らかい部類の素材で作られているため、潰れてしまったと。(クランク側の噛合部はステンレス鋼で作られている?ので真鍮よりも硬いためほとんど変形しない?)
脱着をほとんどしない右側には異常がなく、頻繁に脱着する左だけが損耗した理由は、
左は脱着をする度に山と谷の組み合わせが変わり、 その度にスリーブ側の山は相手のクランク側の谷(それ毎に微妙に形状が違う)に合わせて微妙に変形をしたため、少しずつ山がなくなっていったのでは。
右は脱着をしないため山と谷の組み合わせが変わらず、従ってスリーブの山は一度相手に合わせて変形して最適化されればそれ以上変形しなかったと。
■メーカーへの要望
山と谷がもうちょっと深く噛み合う仕様にした方がええんでない?
■対処
とりあえず左ペダルのスリーブを新品に交換して様子をみまっす。
■考えられる予防法
スリーブの山を叩き伸ばして高さを延長する。嵌らなくなったらヤスリで削って調整する。
山が潰れて損耗したスリーブも再使用可能にできるかもしんない。
2014/12/29追記
■その後の経過
新品に交換してみたものの、2ヶ月も経たない内にまた同じ症状が出るように。前回よりもはるかに早い。
部品をよく観察してみると、クランク側のギザギザも少し丸くなっているようだ。指で触ると、症状が出ない右側との違い(角の尖り具合)ははっきりしていた。
原因は上記考察のとおりではなかろうか。
■修正
実際に修正した。
スリーブのギザギザの山部分にポンチを打って凹みを作った。その分の体積が逃げて少しだけ山が高くなることを狙った。
↑写真左 修正前 写真右 修正後
材質が思ったよりも硬く脆かったようで、ポンチを打つのが強すぎて欠けてしまった所もある。
クランクにはめるとこう↓
隙間がほんの気持ち狭くなったような。
■効果
効果はあったようで、外れないトラブルは起きなくなった。ただし修正後まだ2日程度しか使っていない。
また様子をみまっす。
2015/6/14 追記
それでもまた外れないようになってきた。仕方ないので六角レンチ(短いの)を携帯して、外れない時は使ってゆるめることにした。
近頃ははめる時も手で叩いて押し込まないとはまらないようになってきた。
ちなみに普段付けっぱなしの右ペダルは相変わらず簡単に脱着できる。
■今考えた対処法
新しいスリーブに交換してスリーブとクランクの特定の角度の位置に印を付けておき、毎回その印で合わせてはめてギザギザの組み合わせが変わらないようにすれば、ふだん付けっぱなしの右ペダル同様にトラブルを起こさないようになるのではなかろうか。毎回印を意識して合わせるのが面倒だが。
2015/7/5追記
↑の対処法を実践
スリーブにマーカーで印を付け、
クランク側にも印を付け、
毎回印を合わせて同じ位置ではめることにした。
うまくいくとええなー。
2015/10/20 追記
印を付けて合わせる方法は、あまり効果なかった。
じゃあどうすれば・・・と思っていたら、いい感じの方法を見つけた。
→スリーブとOリングに潤滑剤を塗る。
手が汚れにくいようにシリコン系ルブを塗った。
それによって、ペダルを差し込む時に叩きこまなくても接続できるようになった。
Oリングが滑って収まるべき所に収まるからだろうか。
外す時も、すっと外れる。 理由はよくわからない。
とにかく今のところは解決している。